【中学受験】と【高校受験】-やっぱり中学受験は難しい

時々訊かれる【中学受験】【高校受験】の違いについて、実際に毎日授業を担当している立場から、いくつか思ったことを書いてみます。

※今回、ここで言う【中学受験】はいわゆる【私立中学受験】のことです。

【都立中高一貫校受】については別の機会に書きたいと思います。

学校授業と入試問題

【高校受験】


まずは【高校受験】についてです。

【高校受験】
【高校受験】

【高校受験】はもう、「学校授業」と「入試問題」がかなりの割合でリンクしていると思います。

 

なんというか、

【高校受験】の場合、学校(公立中学校)の授業をしっかりと理解すれば、入試に必要とされる内容の7割~8割をマスターできる!

と言えるのではないでしょうか。

 

そして、残り2割~3割を「塾」等でカバーすれば入試に対応できると思います。

 

もちろん「自宅学習」のみでカバーすることも可能です。

 

いわば、

【高校受験】は

 

『学校授業』の延長線上に

 

『入試問題』が存在する

と言えると思います。

【中学受験】は難しい


一方、【中学受験】です。

【中学受験】
【中学受験】

【中学受験】、特に核となる【算数】については、

 

学校(公立小学校)の授業をしっかり理解していても、入試に必要とされる内容の1割~2をマスターしたにすぎないのではないでしょうか。

※この1割~2割という表現には異論のある中学受験塾さん(0割とお考えの中学受験塾さん)もあるかとは思いますが、中堅以下の私立中も考慮した表現と思ってください。

 本当に『学校算数』と『受験算数』は大きく乖離しており、もはや『算数』という名称が共通なだけの【完全なる別物】と言ってよいのではないでしょうか。

※このような乖離はどうも昔からあるらしく、はるかはるか昔、小6だった母が「中学受験をする同級生」から

自由自在(当時、一番ポピュラーな中学受験用算数参考書だったらしい) を見せてもらった時、

あまりにも学校教科書とかけ離れている内容なので、びっくりした記憶があるそうです。

ここまで『学校算数』と差があると、中学受験生は【中学受験】に必要とされる内容の大部分を「塾」でカバーしなければなりません。

 

また「自宅学習」のみで中学入試に挑むというのも(不可能ではないとは思いますが)、かなり難しいと思います。

 

 

 

この学校との乖離が、【中学受験】特有の大変さ・難しさだと思います。

※さらに近年は乖離度が加速している感じでして、【組み合わせ】なんて、C(コンビネーション)を使って計算するのが主流になっちゃってます・・

【偏差値】も異なる

【偏差値】も異なります
【偏差値】も異なります

【中学受験】の偏差値


偏差値のニュアンスも異なります。

 

【中学受験】の場合、そもそも参加する生徒の多くが、学校(公立小学校)レベルの勉強は【余裕で理解できる】層です。

 

単元ごとにおこなわれる学校の「カラーテスト」ではたいてい満点の生徒たちです。

 

 

 

そしてほぼ全員が【中学受験】用の『集団授業塾』に通っています。

 

また『集団授業塾』に加え『個別指導塾』を併用する生徒もいます。 

※ちなみに当塾の【予習シリーズ(算数)フォローコース】は、まさにこの【集団授業塾に加え個別指導塾を併用しようとする生徒】が対象です。

集団授業塾に加え個別指導塾を併用・・
集団授業塾に加え個別指導塾を併用・・

さらには『プロ家庭教師』にまで来てもらっている生徒もいます。

ほぼ全員が勉強するし、勉強するのが当たり前の世界。

 

なんというか、みんなが勉強しちゃうので、平均点を下げる方向に働く(勉強をしない)生徒がほとんどいない世界なんですよね。

 

 

 

そのような中で平均点(偏差値50)をとるというのは、なかなかに厳しい・・

がんばっても

 

本当にがんばっても

 

最後まで平均点(偏差値50)に

 

ならないまま受験が終了する

 

ということも珍しくありません。

【高校受験】の偏差値


一方、【高校受験】の場合、【中学受験】より偏差値が12~15程度高く出ます(模試によっては、もっと高く出ます)

【高校受験】の偏差値
【高校受験】の偏差値

【高校受験】は公立中学校のほぼ全員が受験します。

 

勉強が「得意な生徒」から「苦手な生徒」まで、幅広い層の生徒が受験するということもあり、【中学受験】ほど平均点が高くなりません。

 

普通にがんばれば、確実に平均点(偏差値50)がとれる世界といえるのではないのでしょうか。

 

 

 

また、『集団授業塾』と『個別指導塾』を併用するという生徒もそれほどいませんし、『プロ家庭教師』を利用するという話もあまり聞きません。

 

 

 

ごく一部を除き、【中学受験】ほど過熱していないのが【高校受験】の現状です。

塾から見ると・・

【中学受験】は努力が反映されにくい?


授業を担当している現場の人間からすると、明らかに【中学受験】の方が指導が難しいですし、生徒も大変そうです。

【中学受験】は難しい
【中学受験】は難しい

なんというか、うまく表現しにくいのですが、【高校受験】は、

 

がんばった分だけ点数(偏差値)が上がる

 

というか、

 

努力がきちんと反映される

 

というか、

 

努力が実を結ぶ

 

というか、

 

 

 

とにかく

一生懸命がんばれば、よい結果が生まれる!

ということが体感できる世界なんですよね。

一方【中学受験】の場合は、なんというか、

 

がんばっても点数(偏差値)がなかなか上がらない

 

というか、

 

努力が報われにくい

 

というか、

 

努力が結果に結びつくのに時間がかかる

 

というか、

 

がんばったのに点数(偏差値)が落ちちゃうこともある

 

というか・・ 

 

 

 

 

 

とにかく苦しい部分が多い世界です。

※そう言えば、かつて僕が【高校受験】の際通っていた塾の先生も、【中学受験】は【高校受験】と比べ物にならないくらい難しいよとおっしゃっていました。

 

(7年ほど前のブログに書いたことがあります)

7年ほど前に書いたブログ



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