こども英会話からの営業電話
失敗談です。
もう20年以上前のことになるのですが、【某こども英会話スクール】さんと提携したことがあります。
ちょうど小学校に英語学習が導入(※)された頃でして、英語教育が【コミュニケーション重視】の方向に進むと言われ始めていた時期でした。
※小学校に英語学習が導入
→厳密に言うと、小学校の【総合的な学習の時間】に【国際理解教育の一環】として英会話が指導できるようになっただけです。英語が小学校において正式科目になるのはもっと後のことです。
とはいうものの、それまで中学校スタートだった英語授業が【小学校でも実施可能になった!】という事実は当時、教育業界だけでなく、一般社会においても話題になりました。
当時は英語、特に小学生向け英会話教材の売り込みが急に増え、また、それまでなかった
ネイティブ講師を派遣します!
といった営業電話がかかってくるようになったのもこの頃からです。
この【某こども英会話スクール】さんとの提携も一本の営業電話がきっかけでした。
ただ、ここの営業電話はちょっと違っていました。
なにしろ外国人の方からの営業電話だったのです。イントネーションやアクセントで【日本語を母語としていない方】とわかるものの、非常に流暢な日本語を話す方でした。
そしてその方は、その流暢な日本語で
当社は無料でネイティブ講師を派遣します!
というのです。
そしてその代わり
貴塾の教室を無料で提供してくれ
というのです。
よくよく話を聞くと
週一回、15:00~19:00の間、この【こども英会話スクール】が当塾の1教室を無料で借り、ネイティブ講師による幼児~小学生対象の【こども英会話スクール】を運営する。
そして、19:00からはそのネイティブ講師が1時間30分、当塾の中学生に無料で英会話授業を提供する。
というのです。
しかも講師は全員大卒で、英語を母国語としているネイティブ・スピーカーだと言います。
これ、話の内容自体は、当塾にとって悪い話ではありません。
というか、
なんだか、とっても良い話のような気がします(笑)
なにしろ当塾生徒が無料で英会話を受講できるのです!!!

なお、当時は当塾に【中学受験コース】がない時代でして、週一回程度なら15:00~19:00に教室を提供することは可能でした。
とはいえ、なんというか、失礼ながらあまり聞いたことのない英会話スクールです。
ちょっと不安です。
迷ったのですが、結局、一度担当の方に来てもらうことになりました。
いらっしゃったのは、電話の方とは別の日本人の方。なんと代表取締役の方でした。
どうやら急速に拡大成長している英会話スクールらしく、いただいた提携案内書には
提携先は首都圏300教室になります!
や
こども英会話 首都圏ナンバーワンを目指しています!
と非常に勢いを感じさせる文言が並んでいました。
また【ネイティブ講師】のみで【日本人講師】はいないこと、そして【ネイティブ講師】は全員トレーニングされたティーチング・ビザ取得者であることなど、代表取締役氏は講師の質を強調されていました。
【ネイティブ講師】のみなので、【日本人講師】がやりがちな「授業中、つい日本語を使ってしまう」ということはないともおっしゃってました。
さらに代表取締役氏は、【こども英会話スクール】として3月・4月・6月・10月と年4回新聞折り込みチラシを大量配布し、そしてチラシには提携先の塾名を記載するので、間接的に塾側の宣伝にもなる等々、当塾にとって良いことばかりを力説されます。
前述しましたが、英語教育が【コミュニケーション重視】の方向に進むと言われ始めていた時期のことです。
当時は
中学~高校と6年間も英語を学んでいるのに英語を喋れないのは、行き過ぎた英文法指導が原因
とか
文法や読解中心の英語学習ではなく、会話を中心にすべきである
とか
これからの英語は、話す力、スピーキング能力が重要になる
とか、とにかく英語に関しては会話を重視すべきという考えが多く主張されていました。
なんというか、そんな時代的な流れに乗る感じで、僕はさほど迷うことなく、この【こども英会話スクール】さんと提携することにします。
いや、ほんと、迷えばよかった・・(反省)
こども英会話【無料体験レッスン】
話はとんとん拍子に進みます。
初めて電話をいただいたのは4月だったのですが、2ヶ月後の6月には早くも開校です。
【無料体験レッスン】と大きく書かれた新聞折り込みチラシも大量に配布されます。なんとチラシには【首都圏300教室】ではなく【首都圏350教室】との記載があります。どうも短期間で50教室ほど増えたようです。
提携案内書の【こども英会話 首都圏ナンバーワンを目指しています!】の表現も、あながち大げさとは言えない感じです。
こうして、初回授業日(正式には無料体験レッスン初日)を迎えることになりました。
Steve先生御来塾です。
また【Training Supervisor】のBen先生も一緒です。
どうやらSteve先生は研修中(もしかすると新人?)のようです。緊張しているようです。
一方【Training Supervisor】のBen先生は、かなり流暢な日本語を話す方で、人当たりも柔らかい感じの非常にフレンドリーな先生です。
慣れた感じで、無料体験レッスンに来た生徒さんや保護者様に話しかけています。
のちに分かったことですが、最初に当塾に電話をかけてきたのは、このBen先生でした。
Steve先生が生徒に無料体験レッスンをしている間に、Ben先生が別室で保護者の方に日本語で【こども英会話スクール】の方針や指導方法を伝えたり、質問を受けたりするといった感じで進んでいきます。
19:00からは当塾中学生対象の英会話授業が開始され、初日は終了しました。
こども英会話【東大和教室】開校!
無料体験レッスン期間が終了し、正式授業が始まるとBen先生は来なくなり、Steve先生のみとなりました。
無料体験レッスンには多くの参加者がいたのですが、残念ながら正式入会した生徒は少数でした。
もちろん当塾は場所を貸しているだけですので、【こども英会話スクール】側の生徒数を気にする必要はないのですが、やはり気になります。
また、この頃僕は、どうやらSteve先生は日本語が話せないらしいということに気づきます。
もしかしたらSteve先生は来日して、まだ日が浅かったのかもしれません。
7月~9月にかけても無料体験レッスンを受講された方が数人いたのですが、ここで困ったことが生じます。
Ben先生がいないこともあり、保護者様は僕に質問してくるのです。
どうやらこの【こども英会話スクール】さんは、【自分たちは場所を借りているだけで、会場になっている塾とは別の法人だ】ということをあまり強調されていないようなのです。
というか、かなりの割合の保護者様が、【こども英会話スクール】と当塾とを同一視しているらしいのです。
これは想定していませんでした。
保護者様は僕に
講師は現地採用なのか
とか
テキストはフォニックス対応なのか
とか
なぜ入会時は月謝3ヶ月分前納なのか
とか、いろいろ質問されます。
もちろん僕には答えられません。
どのように返事をしたのか明確には覚えてないのですが、とにかく丁寧に
「当塾は場所をお貸ししているだけですので、詳細につきましては把握していないのです」
とか
「大変恐縮ですが、こども英会話さん本部にお問い合わせください」
的な返答をしたかと思います。
ただ、これ、自分でも言いながら思ったのですが、どんなに丁寧な言い方をしても、疑問点に即答しない(できない)というのはマイナスな印象を与えることになりますよね。
なんというか、保護者様に不信感を抱かせるというか、場合によっては冷たい印象を与えるというか・・
この時は単純に「無料体験レッスン受講者がいる日は、Ben先生のような質問対応できる人も来るべきなんじゃないのかなあ」って思っただけでしたが、かなり後々になって、保護者様は【こども英会話スクール】に対してのみならず、当塾に対してもマイナスな印象を持ったかもしれないということに気付き、焦ります。
それに【3ヶ月分前納】は初耳でした。いや、ほんとびっくりしました。
当時、英会話業界では【前納】制度はそれほど珍しいことではなかったそうなのですが、不勉強で僕は知りませんでした。
ちなみに塾業界では、当時も今も【毎月払い】が標準です。もちろん当塾も【毎月払い】です。
これも後々になって、保護者様が当塾も【3ヶ月分前納】の塾と思っちゃう可能性があるということに気付き、慌てます。
ちなみに【3ヶ月分前納制度のスクール】って知っていたら、たぶん提携しなかったと思います。
そうこうしているうちに10月になり、また大量の新聞折り込みチラシが配布されます。
無料体験レッスン期間のスタートです。
チラシを見た多くの生徒さんが無料体験レッスンにやってきました。
6月のような感じで【Training Supervisor】のBen先生も来塾し、Steve先生がレッスン、Ben先生が別室で保護者様対応となります。
どうやらチラシを配布した時のみBen先生も来塾し、複数体制になるというシステムのようでした。
無料体験レッスン期間が終了すると 、またSteve先生のみの体制に戻りました。
無料体験レッスンの参加者は多かったものの、結局、正式入会した方は少数でした。6月と同じ感じです。
ストレートな言い方をすると、あまり生徒は増えていません。
場所を貸しているだけとはいえ、やはり心配になります。
なんというか、Steve先生って、シャイというか、内気な人というか、控え目な人なんですよね。
午後7時からの英会話を受講している当塾中学生も、口をそろえて「おとなしい先生」って言うし・・
無料体験レッスンに来た生徒さん(特に幼稚園児~小学校低学年)には、その辺りが物足りなく思えたのかもしれません。
そして年が明けた1月下旬、【こども英会話スクール】本部から【担当講師変更のお知らせ】の通知が届きます。
ローテーション切り替えのため、Steve先生は2月4日が最後のレッスンとなります。
後任はVincent先生となります。
とのことでした。

ところが一週間後、また【こども英会話スクール】本部から【担当講師変更のお知らせ】の通知が届きます。
ローテーション切り替えのため、Steve先生は2月4日が最後のレッスンとなります。
後任はSuhnton先生となります。
あれ? Suhnton先生? Vincent先生じゃないの?

確認のため、【こども英会話スクール】本部に電話をしたのですが、つながりません。何回かけても話し中です。
翌日、ようやく電話がつながります。
ただ電話に出た方は人事担当者ではないらしく、そして人事担当の人も外出中とのことで、なかなか話が進みません。
いろいろあって、結局、Vincent先生は間違いでSuhnton先生が正しいということが判明しましたが、なんというか、【こども英会話スクール】本部の運営にちょっとした不安感を覚えます。

こうしてSuhnton先生が新担当となり、3月を迎えます。
何回目かの授業で、Suhnton先生もほとんど日本語が話せないらしいということに気づきました。
3月は【無料体験レッスン】の時期です。
【無料体験レッスン】と大きく書かれた新聞折り込みチラシが、大量に配布されました。
チラシには【首都圏400教室】との記載があります。また50教室ほど増えたようです。
ここで、【こども英会話スクール】本部から【代講のお知らせ】が届きます。
3月25日のレッスンはSuhnton先生がお休みし、Daniel先生が代理講師として伺います。
とのことです。
ただ、この3月25日って【無料体験レッスン】の日なんですよね。チラシにも大きく【無料体験レッスン 3月25日】って書いてあります。
少なくとも塾業界では、無料体験の日に代講ということはしません。
なんとなく不安に思いつつも3月25日を迎えます。
春の【ぐだぐだ】無料体験レッスン
そして迎えた3月25日。
結論から言うと
先生は来ませんでした。
代講のDaniel先生のみならず【Training Supervisor】のBen先生も来ませんでした。
先生が誰も来ないのです。
今、文字サイズ24pxで【先生が誰も来ないのです】と書きましたが、当時の僕の心理状態を忠実に表現するのならば、100万pxくらいのサイズで100万回くらい【先生が誰も来ないのです】と書きたい感じです・・

通常、【こども英会話スクール】の先生は、授業開始時間の20分~30分前に来塾します。
これがチラシ配布時は、30分~40分前になります。
【こども英会話スクール】の授業は15:00開始ですので、14:20~14:30にはDaniel先生という方なりBen先生が来るはずです。
ところが14:40になっても誰も来ません。
慌てて【こども英会話スクール】本部に電話をします。(ほんと、慌てました)
今回は2回目でつながったのですが、電話に出たのは外国人の方。それもあまり流暢でない日本語を話す方でした。
事情を説明すると、調べて折り返し電話をすると言います。
そうこうするうちに【無料体験レッスン】参加者が次々とやってきます。
春ということもあり、【無料体験レッスン】参加者は10月の比ではありません。
もちろん体験レッスン生ではない、【こども英会話スクール】のいつもの生徒さんと保護者様も、普段通り来塾です。
15:00になりました。
授業開始の時間です。
まだ電話はきません。
先生も来ません。
15:10。
ようやく電話がきました。
結論から言うと
ダブルブッキングなので、
今日の授業は中止です。
とのこと。

ちなみにこの方、日本語を使い慣れてないのか、性格なのか、非常に明るい感じで「チューシデース」とか「ゴメンナサーイ」とか言うんですよね。
なんというか、ちょっと表現は悪いかもしれませんが、【責任感ゼロ】に聞こえてしまう言い方をするんです。
もちろん本人はそんなつもりじゃないとは思いますが・・
ただ、まあ、正直言って、僕はこの時初めて「この提携は間違いだったかもしれない」と思いました・・
なお、代講のDaniel先生は別会場で授業中だそうです。
こうして3月の【無料体験レッスン】は、前代未聞の理由で中止になります。
保護者様は怒るというより、呆れていました。
チラシを見て、体験レッスンを申し込み、当日教室まで足を運び、そして開始時刻を過ぎてから中止と言われ、しかもその理由が、講師の病気・怪我や交通機関の乱れ等ではなく、ダブルブッキングという・・
もちろん、当塾は場所を貸しているだけです。【こども英会話スクール】を運営しているわけではありません。
とはいうものの、場所を貸している責任はありますし、また【こども英会話スクール】と当塾とを同一視している保護者様が多いという事実もあります。
おそらく保護者様の多くは、【こども英会話スクール】に対してのみならず、当塾に対しても最悪の印象を持ったことかと思います。
このダブルブッキングについてなのですが、その後【こども英会話スクール】本部からは、特に何の説明もありませんでした。
そして翌週からは、何事もなかったかのように普通にSuhnton先生の担当に戻りました・・
なお、当たり前といえば当たり前なのですが、3月の【こども英会話スクール】新規入会者はゼロでした。
4月にも【無料体験レッスン】はありましたが、やはり参加者は少数でした。
先生もSuhnton先生のみで、【Training Supervisor】のBen先生は来ませんでした。
【こども英会話スクール】突然閉校
そして5月下旬、【こども英会話スクール】本部から、6月末日をもって提携を終了する(閉校する)との通知が突然届きます。
【この春の生徒募集後も、基準生徒数を下回っていること】が理由とのこと。

まあ、なんというか、色々と思うことはありますし、言いたいこともたくさんあるのですが、とにかく終了する(閉校する)とのことでした。
それにしても一ヶ月後に閉校とは、かなり急な話です。
19:00からの当塾中学生は無料授業なので、突然の終了も何とか納得していただきましたが、【こども英会話スクール】側の生徒さんの御理解を得るのはなかなかに大変だったのではないでしょうか。
こうして一年間にわたる【こども英会話スクール】との提携は終了しました。
どうも【こども英会話スクール】本部は、最後まで【自分たちは、会場になっている塾とは別の法人だ】ということを強調しなかったらしく、【こども英会話スクール】の一部保護者様に、【突然の終了】について質問(というか抗議?)を受けました。
もちろん当塾の立場を御説明し(一生懸命説明しました)、なんとか御理解していただきました。
塾の活性化を図る提案
以下は余談というか、後日談になります。
提携終了からちょうど2年後の6月に、突然この【こども英会話スクール】から一通の封書が届きます。
塾の活性化を図る御提案
というタイトルのダイレクトメールでした。
確実なプラスαと信頼できる英語教育
というサブタイトルも書いてあります。
内容は、以前、代表取締役氏からもらった提携案内書とほぼ同じでして、
この【こども英会話スクール】との提携を強くすすめる文章
が記載されていました。
いや、まあ、なんというか、さすがにもう、提携は遠慮したいと思います・・(笑)
以上、失敗談でした。
こちらは当ホームページの中で、最も訪問者の多いブログ
